医師

2025年8月26日(火)

「これまでを通して考える地域での支え方」をテーマに講演を実施いたしました

医療法人社団ときわ 練馬在宅クリニックでは、2025年8月26日(火)に練馬区立男女共同参画センターえーるにて、在宅医療ワークショップを開催いたしました。

今回は「これまでを通して考える地域での支え方」をテーマに、練馬在宅クリニック院長の力石辰也が講演を実施しました。当院が開院した2018年7月1日から2025年4月30日までの期間で、当院が訪問診療を実施してきた計820例のデータをもとに、地域で見えてきた特徴や課題を発表しました。さらに、今回見えてきた地域における課題をもとに解決策やより良い多職種連携・地域連携の形を参加者の方々とディスカッションしました。

今回の講演は練馬区石神井エリアでの開催でした。地域包括の方や訪問看護師、薬剤師、管理栄養士など職種や地域をこえて、多くの方々にご参加いただきました。「改めてACPの重要性を実感した」「様々な職種からの意見が聞けてとても視野が広がった」などの声をいただき、我々にとっても実りある勉強会となりました。

参加者からのQ&A

Q. 急ぎの依頼の場合、診療情報提供書なしでも早めに介入してもらえますか?
A.急ぎの場合は診療情報提供書がなくても訪問します。すべての医師・看護師・相談員で情報を共有します。

Q. 若年の悪性疾患患者の利用者が、141例中2名で極めて少なかったとありましたが、その2名の患者さんに対してどのような在宅医療をおこないましたか?
A.お一人目は40代の男性。胃がん末期。全告知されており、自身の病状は理解していました。通院できる間は通院と訪問診療を併用しており、訪問診療開始後3ヶ月で自宅でご逝去されました。
お二人目は40代男性。白血病。この方も全告知で訪問診療開始後1ヶ月あまりで自宅でご逝去されています。
お二人とも、他の悪性疾患末期の方と同じように疼痛管理などをおこないました。

Q. 高齢者で、自宅で最後を迎えることが出来た方の疾患は何がありましたか?
A.殆どが老衰で、中には訪問診療を開始後、新たに悪性疾患が見つかった方もいますが、少数です。

Q. ACPを説明するうえで意識していることや大切にしていることは何ですか?また、どのタイミングでACPをとったら良いでしょうか?
A.あくまでもケースバイケースだと考えています。当然ですが、大原則として本人の意思を尊重するようにしています。しかし、本人の状態が悪化して、本人の意識がはっきりしない、意思表示ができない状況では、ご家族の意思を優先する場合があります。各症例やご家族の状況に応じて柔軟に対応する必要があると思っています。ご家族が嫌な思いを抱かないよう、配慮することも大切にしています。

医療法人社団ときわの地域活動

医療法人社団ときわでは医療従事者を対象とした勉強会など、様々な地域活動を実施しています。勉強会の開催については当法人ホームページ内にてお知らせしておりますので、ぜひご参加ください。

ときわ在宅クリニック練馬
TEL:050-3823-2317 (担当:地域連携)
E-Mail:renkei@tokiwagroup.jp