インタビュー
職種の垣根を越えて支え合いながら、自らも職員を支える一員に。
異業種から医療業界へ転身
2025年2月に、ときわへの入職を機に上京しました。出身は静岡県浜松市で、新卒当時は、地元の浜松にある自動車販売店で受付兼会計を担当していました。
主な業務は、来店されたお客様の車の点検や車検などのご用聞きをしたり、店舗のレジや金庫などの経理面の管理をしていました。他にも、車の整備に必要な部品の管理など、幅広い業務を行っていました。その後、医療業界に興味を持つことになり、医療事務の資格を取得後に外来クリニックへ転職しました。
医療事務に転向したきっかけは、私が20代前半の頃に父がすい臓がんで亡くなり、その時に、「結局、最終的にお世話になるのって病院だな」と思ったことです。
病院の知識、例えば「治療にはどのくらいの費用がかかるのか」「こういう時にはどのような手続きをするのか」といった医療に関する知識は、知っておいたほうが将来役立つのではないかと考え、医療業界へ転職する前に、医療事務の勉強をして資格を取得し、その後、転職活動をするという流れでした。資格取得のために勉強をしていて、特別難しいと感じるところはあまりなく、「どうしてそうなるのか」という理由さえ分かれば、自然と頭に入ってくるタイプなので、異業種からの転身でしたが、そのあたりの苦労はなかったかもしれません。
業務のギャップ、慌ただしかった外来クリニック
実際に外来クリニックへ転職してみると、それまでの業務との激しいギャップを感じました。
自動車販売店だと、車の点検で来店されたお客様に対して、「一緒にオイル交換どうですか」「今こういうキャンペーンやっているんです」といったように、自分から積極的に提案を行うことが業務の中心でした。一方、医療業界だとそうした営業的なアプローチは基本的にありません。例えば、「検診の受診券が届いていると思いますが、当院で受けますか?」とは、わざわざ聞きません。患者さんご自身の意思でこちらに申し出があった際にお受けするので、そこのスタンスがまったく違いました。当初は、「これは伝えたほうが親切だ」と思い、さまざまな案内をしていたのですが、先輩から「そこまでしなくていいよ」と言われ、そのスタンスを切り替えていくのが少し大変でした。
また、その外来クリニックはご高齢の先生が一人で診療をしていたので、カルテはすべて紙でした。多い日には一日200人ほど来院するとても慌ただしい環境だったので、来院してきた患者さんの顔を見た瞬間にカルテを出したり、考える余裕なく算定や処方箋の処理をしていました。対応が遅れると、患者さんが受付をのぞきこんで「まだかしら?」と声をかけてくることもあり、結構プレッシャーがありました。そんな緊張感も嫌いではなかったのですが、大変だったなとは思います。
在宅医療へ興味を持ち、上京
在宅クリニックに興味を持った理由は、前職の外来クリニックで通院をされていた患者さんが、在宅医療へ移行していく様子を見たことです。また、事務員の中に居宅ケアマネジャーとして働いている方がおり、日頃から話を聞く機会があって、そうした中で在宅医療への興味が湧いていきました。
「お家での医療ってどんな感じなんだろう」と思い、本を読んで在宅医療の仕組みを調べてみると、多くの職種や機関が連携しながら患者さんを支えていることを知りました。ちょうどその頃、できれば次も医療業界で働きたいと思っていたので、在宅クリニックへの転向を決めました。
そんな時、推し活を通じて知り合った友人がときわで働いていました。職場の雰囲気や仕事内容などいろいろな話を聞いて、面接を受けることにしました。当時はまだ静岡に住んでいましたが、ときわへの入職を機に上京しました。推し活もしやすくなるので、ちょうどいい機会かなとも思いましたし、もともと「思い立ったら基本どこでも行く」の精神で生きていることもあり、不安よりもポジティブにフットワーク軽く決めました。
じっくり算定できるゆとりと責任感
医事課のメイン業務は算定です。毎月10日までにレセプト請求を行うため、1日から10日までの間はレセプトチェックが中心になります。全拠点分を医事課内で分担し、1人あたり大体500~600枚くらいの枚数を担当しています。算定が漏れてないか、処方内容に対して適切な病名がついてるかなど、1件ずつ確認していきます。そのチェックを終えてレセプトを提出するまでが、医事課にとって最も重要な業務です。そのためにも、日々の算定を正確に行うことが欠かせません。
外来と在宅では、算定できる管理料が異なり、在宅医療特有の管理料はすごく高額です。例えば、在宅酸素の装置を入れている患者さんの在宅酸素療法指導管理料は2400点で、1点10円なので、単純計算で2万4000円になります。さらに、さまざまな加算がつくこともあるので、かなり大きい額になることがあります。そのため、算定ミスがあると、患者さんへの請求金額の誤りが生じ、ご迷惑をおかけしてしまいます。また、法人の収益にも大きな影響を与えるため、一つひとつの算定に対する責任の重さを強く実感しています。
前職の外来クリニックはとにかく時間との勝負で、患者さんをお待たせしないことが最優先でした。一方、在宅クリニックでは、目の前で患者さんをお待たせしている状況ではないため、余裕をもって患者さんごとの状況を確認し、算定することができます。「この患者さんはこの加算の対象になるかな」「この管理料は算定できるかな」と、じっくり考えて算定できるのはありがたい環境ですね。
縁の下の力持ちとして現場を支える
医事課の業務は算定だけでなく、さまざまな事務作業も行います。例えば、翌日の訪問診療で使用する持ち物の用意や患者さんにお渡しする採血結果の準備をしたり、診察で発行した処方箋を薬局ごとに振り分ける処理などをしています。
毎月の算定が無事に終わり「きちんと請求できた」と安心できる瞬間もやりがいの一つですが、診療を支える業務にも携わり、縁の下の力持ちのような役割にやりがいを感じています。特に、今の拠点は医事課が私一人なので、何かあればまず私のところに相談や問い合わせがきます。「それってこうじゃない?」と一緒に考えたり、必要な情報をお伝えしたときに「ありがとう」と言ってもらえることが、モチベーションになっています。
デジタルツールやAIを活用して、業務を効率化
ときわでは電子カルテを導入していたり、業務のほとんどがパソコンなどのデジタルデバイス中心なので、作業がすごく楽になりました。特に便利だと感じているのがショートカットキーでの検索機能です。もうCtrl+Fは手放せませんね。「あの文言どこにあるかな」と思ったときにすぐ検索して見つけられるので、業務のスピードも正確性もかなり上がったと感じます。
それまではパソコンをあまり使ってこなかったこともあり、ショートカットキーなどの便利な機能もまったく使っていなかったのですが、ときわに入職してから日常的に使用するようになり、自宅でパソコンを触っている時も、無意識にショートカットキーへ指が伸びるほどです。
最近は業務でAIも活用しています。例えば、カルテへのワクチン記載方法をまとめたマニュアルをスプレッドシートで作成したことがありました。ただ、スプレッドシートはどうしても文字量が多く読みにくくなってしまうので、要点を視覚的にパッと見て理解してもらえるよう、AIを活用して概要をまとめた画像を作成しました。
私は普段から「どうすれば相手がより分かりやすく、よりスムーズに業務を進められるか」を意識し、先回りして行動しています。このマニュアル作成も情報をただまとめるだけでなく、相手が理解しやすい形で作ることを心がけました。
また、何か問い合わせを受けた際も、質問への回答だけでなくプラス1の情報を添えてお渡しするようにしています。 例えば、「このケースは算定上どうなりますか」と質問された時に、「これはこうなりますよ“ちなみに”こちらも関係してきますよ」というような、予測される他の情報も一緒にお伝えするようにしています。
拠点を越えて支え合える環境
ときわに入職して初めてビジネスチャットを使いました。初めはチャットでのコミュニケーションに慣れるのが大変でしたが、今では面白さも感じています。文字だけでは、相手の感情やニュアンスを汲み取るのが難しいこともあるので、スタンプで気持ちを表せるのが良いですね。ただ、仕事なので絵文字の使いすぎには気を付けながら、ビジネスとしての節度を保ちつつ、温かみが伝わるよう心がけています。
私は固定の拠点で勤務していて、医事課は一人の体制です。そのため、医事課の先輩たちと直接会う機会はほとんどありません。ただ、ビジネスチャットなどを通じて日頃から声をかけていただき、たくさんフォローしていただいているので、本当に助かってます。ときわでは拠点を越えて自然にフォローし合う文化があり、困ったことがあればすぐに相談できる環境です。今は私が支えていただくことのほうが多いですが、新しい方が入職された時に、今度は私が他拠点のフォローもできたらいいなと思っています。
こうした課内の雰囲気があるからこそ、休暇も取りやすいです。前職の時は出勤の必要人数に対して職員数に余裕がなく、勤務スケジュールのすり合わせをする必要があり、なかなか休暇を申請がしづらい空気がありました。一方、ときわは拠点を越えたフォロー体制があるので、一人拠点であっても休暇の相談や申請がしやすいです。相談をした際も「どうぞ、ごゆっくり」と快く承諾がいただけるので、とてもありがたいですね。仕事とプライベートの両方を大切にしながら働ける環境だと感じています。
経験を積み、仲間や組織を支える
現在、私が勤務している拠点には、医事課・相談課・看護課が1名ずつ在籍しており、全員が入職して1年ほどです。私たちは自分たちを「チーム1年組」と呼び、「将来のことを心配しても、きっとなんとかなるよね。」とみんなで励まし合いながら日々頑張っています。これから2年、3年と経験を重ねて、新しく入職された方とも支え合える関係を築いていけたら嬉しいです。
私自身、在宅医療の算定はまったくの未経験からのスタートでした。だからこそ、これからもっと経験を積みながら知識をつけていきたいです。また、管理職として前に立つタイプではないかもしれませんが、その分自分自身の経験や知識で周囲を支えたり、誰かをフォローしたりして力を発揮していきたいです。医療は誰かを支える仕事ですが、その中でも私は、仲間の意見を吸収しながら、法人全体を支えていけるような存在になりたいです。